ガンになりにくくなる方法
「ガンになりにくくなる方法」
それは、高価な薬を買うことでも、無理な運動をするなどというものではない。
ただ「笑うこと」である。

人には「NK細胞」というものがある。
「NK細胞」とは「Natural killer Cell」、すなわち「生まれながら(Natural)に殺傷力(killer)を備えている細胞」という意味である。
NK細胞にはウィルス感染の防御と腫瘍細胞を攻撃する働きがある。

このNK細胞には次のような性質がある。
●夜眠り朝起きる
→NK細胞の活性は、真夜中が一番弱く、早朝午前5時〜6時頃から強くなる。

●気分による変化
→NK細胞は悲しみやストレスなどのいわゆる「マイナスの感情」によって活性が低くなる。反対に、笑うなどのいわゆる「プラスの感情」によって活性度が高くなる。

●年齢による免疫機能の変化
→10歳以下では低く、40歳でピークを迎え、40歳以降は徐々に低下していく。

このNK細胞は、全身に約50億個存在し、がん細胞がないかどうか常に体内をパトロールしている。

では、このNK細胞を活性化させるためにはどうしたらいいか。

そもそもNK細胞は自律神経系の働きに影響される。

ちなみに、自律神経というのは、文字通り「自律した神経」である。
つまり、意識するしないに関わらずに働く神経である。
例えば心臓を動かす筋肉(心筋)は自律神経である。
心臓が疲れたから休ませようといって、「意識」して止めてしまったらとんでもないことになる。
だから心臓は自律神経である。
内臓系の神経はそのほとんどが「自律神経系」だと言っても過言ではない。

そして自律神経には2つの働きがある。
1つは交感神経。
もう一つは副交感神経である。
この2つの働きは対をなすものであり、いってみれば「動と静」である。
交感神経は「動」、副交感神経は「静」である。

緊張状態になると、「動」である交感神経が優位になる。
はるか昔、まわりに猛獣がいた時代に身を守るため、あるいは標的となる獲物と対峙していた時、いつでも戦えるように、あるいはいつでも逃げ出せるように、心拍数を上げておいていつでも行動を起こせるように準備していた。
これが「動」の状態である。
このときは極度の緊張とストレスの状態である。
この時、心拍数が上がり、血管は収縮する。
このため、急激に血圧が上がるのである。
なぜ血管が収縮するのかというと、体に傷を受けたときに出血を最小限に止めるためだと考えられている。

ストレスを受け交感神経系が優位になるとNK細胞の活性度が減少する。

逆に緊張やストレスを取り除き、できるだけ副交感神経を優位に働かせるようにリラックスする。
例えばお風呂にゆっくりつかり、楽しいことを考えると、NK細胞活性が上がる。

もうひとつ、そしてとても簡単なことは「笑うこと」。
腹から「ワッハッハッ」と笑うだけで免疫力が上がるようになる。

食事に関しては良質のたんぱく質と、緑黄色野菜をきちんと食べ、栄養バランスに気をつけることが大切。
ここでは具体的に「○○を食べるとよい」などとは言わない。
「○○を食べるとよい」とか「○○はよくない」とかテレビ・マスコミでよく言われているが、これは参考程度にすべきであって真に受けてはいけない。
なぜなら、「あれを食べないといけない」「これを食べてはいけない」などと考えることがストレスになるからである。
また、ある企業によるステルスマーケティング(いわゆる「ステマ」)であることもある。

要は「美味しく楽しんで食べる」事が最も大事なことなのである。

ただ言えることは、生野菜や果物の中にはビタミン、ミネラルが多く、NK細胞活性を高める。

昔から「百薬の長」と言われてるお酒はどうなのか?
日本人の約半数は遺伝的にお酒に弱い体質で、この弱い方の7人に1人がやけ酒で大酒を飲んでいるといわれる。
アルコールを飲み続けているとNK細胞活性が下がり、免疫力が落ちやすい。
ただし、ほどほどにアルコールを飲めばリラックスできて血液循環がよくなるという効用もある。

NK細胞にはβ―エンドルフィンというホルモンレセプターがある。
おいしいものを食べたり、楽しい気分のとき、脳からβ―エンドルフィンが分泌され、NK細胞と結合して免疫力が高まる。

つまり楽しみながらの散歩など軽い運動をすると体の免疫システムの働きを高める。
反対にNK細胞の活性度を低下させるものとしては喫煙がある。
なるべく禁煙に努めたい。

ただこの「禁煙」も注意が必要である。
禁煙がストレスになってしまうならば、むしろ逆効果になってしまうこともあり得るからである。
決して喫煙を勧めているわけでもなく、禁煙することをやめるように言っているわけでもないことを踏まえてもらいたい。

40歳を過ぎると免疫力が落ちていくが、日常生活の中でNK細胞活性を上げるように努め、年齢に応じた免疫力を維持することが大切である。

ガンになりにくい体を作るには、いかにこの「NK細胞」を活性化させることができるかが鍵となる。

ストレスに打ち勝つ強い精神状態を保つことができればよろしい。
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