アメリカ建国以後のインディアン
ヨーロッパの白人による北米の征服は、中南米より1世紀遅れて始まった。

先住民のインディアンは伝統を守って平和に暮らしていたが、白人植民者の侵入により運命が一変する。

当時、北米大陸に侵略してきた白人は、イギリス人、フランス人、スペイン人だったが、イギリス人と出合ったインディアンの運命が一番悲惨だった。

フランス人は毛皮に、スペイン人は貴金属に、イギリス人は土地(領土)に関心があったからだ。

フランス人やスペイン人にとって先住民の抹殺はさほど得策ではなかった。

イギリスで食い詰めた移民たちは、新大陸で広大な土地を入手できるという宣伝を信じこんで太平洋を渡ってアメリカにやってきた。
そして先住民との土地争奪戦が始まった。

イギリス人はインディアンに無理やり契約書に署名させ、合法的といって騙し、脅して、次々にインディアンの土地を収奪した。

1789年のアメリカ合衆国建国以来、土地所有をめぐってインディアンと白人との間に結ばれた条約・協定は300を超えたが、そのほとんどすべてが反故にされた。

当初の白人移民の飢えと苦難を救ってくれたのは友好的インディアンたちだったのだが、白人はその恩をあだで返したわけだ。

1830年、アメリカ大統領のジャクソンは、野蛮人の一掃のためと称し、強制移住法を制定し、すべてのインディアンをミシシッピー川以西に立ち退かせた。

ところがミシシッピー川以西に資源があるとわかると白人の幌馬車はミシシッピー川を超えて西へ殺到した。

インディアンの命綱のバッファローを面白半分に撃ち殺しづけ、約束違反を繰り返す白人にインディアンは激昂し、西部を舞台に凄惨なインディアン戦争が繰り広げられる。

インディアンの武力抵抗は、結局、圧倒的に優勢な白人軍(合衆国軍)に敗退し続けた後、1890年のウンデッド・ニーの虐殺事件で終了した。

残ったインディアンたちは自由の天地を奪われ、狭い保留地(リザベーション)に閉じ込められた。
大東亜戦争中、アメリカが日系移民だけを強制収容所に閉じ込めたのと同じ手法だった。

1924年にようやくインディアン市民権法が制定され、インディアンは初めて人間として認められた。
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