このパチンコ依存症は性癖や意思の問題として扱われたため、「治療できる」病気であることが理解されず放置され、治療行為が行われなかったために勉学や勤労への意欲を喪失した例や、さらに借金をしてまでパチンコにのめり込み多重債務や自殺といった悪循環に陥る例もある。
多重債務に付けいる消費者金融や闇金融のありさまと併せて社会問題視(クレサラ問題)された。
このことから、2005年頃から東京都遊技業協同組合などの業界団体でもパチンコ依存症に対する注意の呼びかけや問題解消のためのカウンセリングの紹介といった事業が始められている。
だが、結果的には全く解決されていない。
テレビをつければ新台のCM・パチンコ店のCM・パチンコの番組まで流れている。
テレビの影響は非常に大きい。
それらテレビ番組の中に「パチンコ依存症」についての注意が全く流れない。
それどころか「パチンコ依存症」との文言が一切出てこない。
これが問題である。
「パチンコ依存症」に対する注意を小声でささやき、「もっともっとパチンコを打とう」と大声で叫んでいる。
業界団体に言わせれば、「我々はパチンコ依存症に対する注意を呼びかけている。この呼びかけに耳を傾けないあなたが悪いんでしょう」ということである。
元臨床心理士で作家の松岡圭祐氏は、著書の『催眠』や『千里眼の教室』といった複数の作品中で、パチンコ依存症を、パチンコ台が「大音量の音楽」「点滅するネオン」「回転するデジタルスロット」そして「“大当りが出たら儲かる”という欲求」など複数の要素を巧みに用いることで、交感神経系優位で被催眠性の高い(熱中しやすい)人間をトランス状態、一種のリラックス状態に導くことができ、これにより理性が弱まり大金を浪費してしまったり、遊技中の快楽感が癖になり依存症や中毒になってしまう、と分析している。 |