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ミクロの宇宙とマクロの宇宙
2008年、ノーベル物理学賞を、米シカゴ大名誉教授で大阪市立大名誉教授の南部陽一郎氏(当時87)=米国籍=、高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)素粒子原子核研究所の元所長・小林誠氏(同64)、京都大名誉教授で京都産業大理学部教授の益川敏英氏(同68)の3人が同時に受賞したことで話題になった「素粒子理論」。

そもそも「素粒子」とは何か?
限りなく簡単にいうと「物質のもと」である。

つまり素粒子が集まって原子核となり、その周りを電子が回っている。
原子核と電子を「原子」という。
原子核と電子の関係は、太陽とその周りを回っている惑星と同じである。
つまり太陽が原子核とすれば、その周りを回っている惑星が電子であり、太陽系全体が原子というわけである。

人間から見て「原子」は限りなく小さい存在だが、宇宙全体から見たら、太陽系なども一つの「原子」にすぎない。

その原子の集合体を「分子」という。
アミノ酸や糖類も「分子」である。
原子核が太陽で電子が惑星だとしたら、分子は数千億個の太陽系で成り立つ「銀河系」にあたる。

そして分子の集合体が「器官」となる。
宇宙でいえば、銀河系の集合体である「銀河団」にあたる。

さらにその「器官」の集合体が「生命体」である。つまり「宇宙そのもの」である。

このように見ていくと、宇宙もまた一大生命体であると言わざるを得ない。

ミクロを突き詰めるとマクロが見え、マクロを極めるとミクロが見えてくる。
ミクロとマクロは同一なのである。
顕微鏡で見えるものも望遠鏡で見えるものも実は同じなのである。
究極まで小さなものが見える顕微鏡をのぞくと、そこに見えるのはその顕微鏡をのぞいている自分の背中である。
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