「不老『長寿』」の妙薬 | |
生物には、自らの細胞を殺してしまう遺伝子情報が含まれている。 【http://yakudatusaito.com/archives/1365.html】 カエルは、オタマジャクシからカエルに成長する過程で、尻尾を構成している細胞を殺して消してしまう。 人間なら、母の胎内にいるときに、その手は水鳥の足のような水かきが付いている。 ところが成長するにしたがって、その水かきは消えてしまう。 水かきだった細胞は、ヒトがヒトとなるために、その個体全体のために自ら死んでいくのである。 また、人間には尾てい骨というのがある。 昔サルだったときに生えていた尻尾の名残だといわれている。 一般的には「尻尾が退化した」といわれている。 しかしその言い方には語弊があるように感じてならない。 尻尾が無くなったのは確実に「進化」である。 「個」で見れば「退化」かもしれないが、「種」で見れば「進化」である。 また、細胞は分裂する回数に制限があるという。 細胞には、分裂の回数を決める遺伝子が組み込まれている。 例えば、ヒモがあって、分裂するたびにそのヒモの長さが半分になる。 それがまた分裂してさらに半分になる。 これを繰り返していくと、やがて分裂できない限界に達する。 これを「テロメア」と言う。 その限界に達したとき、分裂は終了し、やがて肉体は死に至る。 その分裂の回数は60回くらいといわれている。 人間の細胞は、酸素を吸って生きている以上、必ず酸化する。 体内の細胞を酸化させる物質が「活性酸素」である。 この活性酸素により、つまり体が錆びてくる。 錆びてくれば細胞が正常に分裂出来なくなる。 分裂の回数に制限があるが、制限に達する前に分裂がストップしてしまうことがある。 ちなみに、際限なく分裂を繰り返す異常細胞が、「癌」である。 そこで、正常な細胞の分裂回数を増やせば、あるいは正常に分裂回数に達するようにしてあげれば、確実に寿命を延ばすことができる。 天台烏薬には活性酸素を消去して細胞の酸化を抑える作用があるということは、確かに長寿の妙薬であるといえる。 そしてある学者は、正常な細胞の分裂回数を増やすことができれば、100歳でも200歳でも生きることができるという。 ちなみに、植物は条件が整っていれば永遠に生き続けることができるといわれている。 ただ思うことは、200歳まで生きて何の意味があるのだろうか? 200歳まで生きて得るものは何だろうか? 無始無終の一大生命体である宇宙の悠久の時間に比べたら、人の一生なんで儚いものである。 その寿命が3歳であろうと20歳であろうと、80歳であろうと100歳であろうと200歳であろうと、はたまたもし1000歳まで生きようと、宇宙の時間に比べたら「ほんの一瞬」でしかない。 この「ほんの一瞬」の寿命をほんの少しだけ延ばす「不老『長寿』」に何の意味があるのだろうか? 大事なのは寿命の長短ではない。 生き様である。 この意味のない「不老『長寿』」を求めて徐福は命をかけて海を渡ってきたのだというのだろうか? 『長寿』のために命をかける価値があるのだろうか? 「長寿」を求めて命を捨ててしまっては本末転倒である。 「長寿」を求めて海を渡ってきたというなら、徐福の行動に矛盾を感じる。 以前ニュースで、アメリカだったと記憶しているが、ある年配の方が宝くじで数億円(数十億円?)当てて、目の前に積み上げられた札束を見てショック死してしまったということがあった。 その人にとってその札束に何の価値があったのだろうか? だが、『不死』のためならば、それはきっと命をかける価値があるはずである。 |
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